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パワパフZの3人の中で、唯一写真に撮られることに関して自覚的なバブルス。ファッションを愛好するということは、単に服をコレクションするという意味ではない。他人からどう見えるか、そして他人にどのような印象を与えるかを意識的にクリエイトしていくことこそがバブルスの趣味と言えるだろう。だが、そのようにして得られた最高の表情とポーズを、ジェシー・木戸は拒絶する。
トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日のパワパフZの感想。
サブタイトル §
第17話「シャッターチャンスを逃すな!」「兄弟愛!電波モンスター」
あらすじ「シャッターチャンスを逃すな!」 §
学級新聞を作るジェシー・木戸は、パワパフZの活躍を間近に見て、それについての新聞を出したいと思うようになりました。
しかし、パワパフZを撮影すべく出て行ってもいつも遅すぎ、米粒のように小さなガールズしか撮影できませんでした。
バブルスは、自ら撮って欲しいと願い出ますが、ジェシーの願いは記念写真ではなく、活躍するガールズの写真でした。
捨てられた学級新聞を見たモジョは、遠距離からガールズをねらい打てば良いというアイデアを思いつき、高い塔に行きます。一方、ジェシーもガールズの活躍を早期に発見するには、高い塔からモンスターを監視すれば良いと思いつきます。かくして、ジェシーはモジョの人質にされてしまいました。
ジェシーが身体を張ってモジョを止めようとしたおかげで、ガールズは遠距離からモジョに撃たれることなく、モジョを倒すことができました。
あらすじ「兄弟愛!電波モンスター」 §
市長と弟は、みつまめとショートケーキはどちらが良いか……というくだらない理由で携帯電話で喧嘩を始めます。
その電波がモンスターとなって街で暴れます。
一方、ガールズは電波が届かない地下鉄で移動中で連絡が取れません。
やっと地下鉄から降りたガールズは電波モンスターと戦いますが、素早い相手に苦戦します。
ガールズは、電波モンスターを電波が届きにくい地下鉄駅構内に誘い込み、弱体化したところを捕獲しました。
電波モンスターの言い分を聞いた市長と弟は仲直りを宣言しますが、すぐにつまらない理由で喧嘩を始めました。
電波モンスターは解放され、そのまま電波塔に去っていきました。
感想 §
前半も後半も、素晴らしい心のドラマですね。
前半は、写真に撮られるために表情やポーズを取った最高のバブルスをジェシーが拒絶するという凄い展開です。当然のことながら、バブルスは自分に関してそれなりの自信を持っていたはずです。男の子を相手にして、相手の心を掴むことができるという自負もあったはずです。ジェシーの態度は、そういうバブルスの気持ちをある意味で踏みにじっています。
しかし、ここがバブルスの偉いところですが、街を守って活躍するパワパフZを撮影したい……というジェシーの気持ちを彼女は正しく受け止めます。
さて、バブルス=みやこといえば、たった一人思い続ける男の子がいます。他の男の子の求愛は全て拒絶するぐらい思い続けているのです。それにも関わらず、バブルス=みやこはジェシーを気に掛けます。
ここがまた素晴らしい心のドラマですね。
おそらく、バブルス=みやこは思いが通じない……という心の痛みを抱えています。それゆえに、熱意だけが空回りしてなかなか他人にそれが通じないジェシーのことが気に掛かるのでしょう。
それゆえに、男の子を拒絶しているのに、ジェシーのことは親身に気を配るという矛盾した状況が発生します。
この矛盾こそが、極上の心のドラマです。心とは自分でも解決できない矛盾を抱えた存在であるがゆえに、心のドラマは矛盾のドラマとなるのです。
後半も、モンスターと市長兄弟の立場に矛盾が生じています。本来、モンスターとは害をなす存在であり、それを取り除くのが市長の役割です。もちろん、市長は自分でモンスターを退治するわけではなく、パワパフZに依頼するわけですが、それでも市長の立場はモンスターを退治する側です。しかし、今回のケースでは、市長と弟の喧嘩がモンスターの発生原因そのものなのです。退治する側が作っているわけです。
として、仲直りをしても兄弟げんかを続ける市長兄弟を見て、あきれて去っていく電波モンスター……という極めて皮肉な結末で終わります。この場において、もっとも迷惑なのは、モンスターではなく、紛れもなく市長と弟です。
今回の一言 §
パワパフZの変身アクションは、時間があれば自分でもできるように覚えたいな……という気がします。なぜかといえば、全身を思いっきり動かして、気持ちよさそうだからです。パワパフZの健康体操……という感じ?